
こんにちは!IT導入補助金チームです。
本日は、今年度のIT導入補助金の採択率がなぜ低下しているのか、そしてその厳しい状況をどう乗り越えるべきかについてお話ししたいと思います。
採択率の現状
まず、前年度の採択結果を振り返ってみましょう。
通常枠、インボイス枠ともに最終公募回は採択率が大幅に低下する傾向にありましたが、全体的には比較的高い水準でした。
しかし、今年度は状況が一変しています。
枠 | 2024年 | 2025年1次締切 | 2025年2次締切 |
---|---|---|---|
通常枠 | 約66% | 約51% | 約41% |
インボイス枠 | 約72% | 約58% | 約47% |
- 第1次締切: 通常枠50%、インボイス枠57%と、前年度から15%以上の大幅な低下が見られました。
- 第2次締切: 1次締切からさらに10%もの低下がみられ、採択のハードルが一段と上がっている状況です。
申請数が大幅に増加しているため、交付決定件数自体は増えていますが、多くの申請者の中で採択されるには、
より差別化された「質の高い申請」が求められています。
採択率を高める3つのポイント
この厳しい状況を乗り越え、採択に近づくための重要なポイントを3つご紹介します。
1. 補助金の趣旨を深く理解する
IT導入補助金は、単にITツールを導入するためのものではなく、「自社の生産性向上と事業の成長」を実現するために存在します。そのため、審査項目に沿って、事業の課題と導入するITツールがどう結びつくのかを明確にすることが不可欠です。
特に重要な審査項目は以下の3つです。
- 事業面
- 自社の経営課題を正確に把握し、問題意識を持っているか。
- その課題を解決できるITツールを選定しているか。
- ツールの導入を通じて、継続的な生産性向上や社内でのデータ共有に取り組む意欲があるか。
- 計画目標値
- 労働生産性の向上率が具体的に示されているか。
- 政策面
- 国が推進する「生産性向上」「働き方改革」といった政策と連携しているか。
- セキュリティ対策サービスを選定しているか。
わかりやすい例を出すならば、同じ電子カルテの導入でも、「現在は紙カルテだが、これを機に電子カルテ化する」という申請と、「すでに電子カルテを使用しており、更新のため入れ替える」という申請では、前者が明確に補助金の趣旨に合致していることがわかります。
2. 加点項目に積極的に取り組む
採択率が低下している現状では、加点項目への取り組みが採択の可能性を大きく左右します。特に、審査項目にも含まれている**「賃金引き上げの表明」**は非常に重要です。
賃金引き上げ表明の具体的な条件は公式サイトで確認できますが、現在の採択状況を考えると、この加点はもはやマストであると考えるべきでしょう。
さらに、賃上げ幅は「地域別最低賃金に対して50円以上」と表明することで、より大きな加点を得ることができます。
最後に
多くの申請がひしめき合う中で採択を勝ち取るには、IT導入補助金の趣旨・目的を深く理解したうえで、加点項目に一つでも多く取り組むことが不可欠です。
申請内容を隅々まで見直し、できる限りの対策を講じることで、採択の可能性を最大限に高めていきましょう。このコラムが、皆様のIT導入補助金申請の一助となれば幸いです。ご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。