建物の設備更新を検討する際、どのような改修が省エネにつながるのか、費用に見合う効果を得られるのかを事前に把握しておくことが大切です。
光熱費やCO2排出量の削減に加え、室内の快適性にも目を向けて、改修計画を立てたいところです。
環境省の「業務用建築物ストックの省CO2改修調査支援事業」では、
既存建築物のZEB化等に向けた改修効果調査に、1施設あたり最大100万円を補助します。
ZEBとは、省エネと創エネを組み合わせ、快適な環境を保ちながら、建物で消費する年間の一次エネルギー収支をゼロにすることを目指す建築物です。
領収書や契約書の確認を含め、早めに準備を進めましょう。
本記事では、補助金の概要、対象となる建物、ZEBプランナーとの連携や調査後の対応について解説します。
1. 1施設最大100万円!改修に向けた事前調査を支援
現在案内されているのは、令和7年度補正予算の二次公募と令和8年度予算の一次公募です。
補助の対象は、改修によってどの程度の省CO2効果が期待できるか、ZEB化を実現できるかを検討するための調査費用です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 補助対象経費の1/2以内 |
| 補助上限額 | 1施設あたり100万円 |
| 同一事業者の累計上限 | 500万円 |
| 公募期間 | 令和8年5月1日(金)~10月22日(木)17:00必着 |
複数の建物を調査する場合は、施設ごとに分けて申請します。
施設の単位は原則として建築確認申請の単位に準じるため、
複数棟を所有する場合は、申請する範囲と累計額を確認しましょう。
2. 対象は、改修予定のある既存の業務用建築物
対象となる建物は、令和11年度(2029年度)までに既存設備等の改修を予定している業務用建築物です。
事務所、ホテル・旅館、病院、店舗、学校など、幅広い用途が含まれます。新築建築物は対象外です。
申請できるのは、日本国内で事業を営み、将来の改修を実施する建築主等です。
民間企業や個人事業主、地方公共団体のほか、学校法人・医療法人・社会福祉法人等も含まれます。
対象用途は、原則として建築確認申請書の記載に基づいて判断されます。
住宅と非住宅が混在する建物や、複数用途の建物の一部を調査する場合には、
対象範囲や規模等の条件があるため、図面を整理して執行団体へ確認することが大切です。
3. ZEBプランナーと、実際の改修に使える調査を進める
本事業では、ZEBプランナーが調査に関与する必要があります。
原則として申請段階から連携しますが、入札等で委託先を決める場合は、
ZEBプランナーの関与を条件として応募することも認められています。
補助事業を開始する時点では、登録を完了している必要があります。
調査では、省エネ効果だけでなく、費用や実現性を踏まえて改修方法を比較し、
次の設計・予算検討につながる資料をまとめます。
| 調査で整理する事項 | 主な内容 |
|---|---|
| 改修内容の検討 | 省エネ効果、実現性、経済合理性を比較し、適した改修案を提案 |
| 性能の算出 | 外皮性能の指標であるBPI、一次エネルギー消費性能の指標であるBEIを算出 |
| 概算費用と工程 | 改修費用の概算と、予算化・設計・工事等のスケジュール案を作成 |
公式情報:公募案内
BPI・BEIの算出には、建築研究所のWEBプログラムによる標準入力法を使用します。
モデル建物法は認められていません。調査を依頼する段階で、計算方法と成果物を確認しておきましょう。
また、ZEBプランナーに支払う費用には注意が必要です。
公式Q&Aでは、設計等を伴う調査業務の費用は補助対象となる一方、
コンサルティングとしての業務支援費用は対象外とされています。
後続の設計・工事まで一括契約する場合も、今回申請する調査費用を明確に分ける必要があります。
4. 申請前に、契約時期と調査後の対応を確認
応募は原則としてJグランツによる電子申請です。
GビズIDプライムを準備し、公式サイトの提出書類チェックシートに沿って、実施計画、経費内訳、図面等をそろえます。
採択状況によっては公募が早期に終了するため、余裕を持って準備を進めましょう。
調査の契約・発注は原則として交付決定後に行い、公募要領に定められた事業期間内に完了する必要があります。
見積りの取得と契約・発注は区別し、委託先と実施日程を確認しておくことが大切です。
調査完了後は、3年以内に結果を活用した実際の省CO2化改修等に取り組み、その内容を報告します。
さらに、完了年度の翌年度から3年間は、年度ごとの報告が求められます。
調査の申請時から、改修を検討する担当者や予算化の進め方も整理しておきましょう。
施設の写真、設備仕様、性能計算の結果、改修費用やスケジュール案など、所定の調査データの一般公開への同意・協力も要件です。
関係部署や建物の権利者と、事前に共有しておくと準備を進めやすくなります。
まとめ:必要書類を確認し、期限内の実績報告へ
本事業は、設備更新の前に省エネ効果や費用を検討し、将来の改修計画を具体化する際に活用できる制度です。
対象となる建物、ZEBプランナーの関与、調査費用の範囲、調査後の改修・報告までを確認して申請準備を進めましょう。
サポート行政書士法人では、各種補助金の申請に関するご相談を受け付けています。
補助金の活用や申請準備についてご相談されたい方は、お気軽にお問い合わせください。
