ガソリンスタンドの営業を続けるうえで、安全検査や従業員の健康管理、必要な研修への対応は欠かせません。
こうした費用の負担を抑えながら、店舗の安全性を確保したいと考えている事業者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
全石連の「経営再建支援事業(小規模事業者申請用)」では、
小規模ガソリンスタンド(SS)の事業継続に必要な検査・安全対策・研修費用を支援しています。
2次申請の締切は令和8年9月30日(水)です。
本記事では、対象となる事業者や経費、補助額の考え方、申請前に押さえておきたいポイントを解説します。
1.経営再建支援事業とは?対象となる小規模SS
本事業は、当分の間税率の廃止による影響を受ける小規模事業者を対象に、安全面から事業継続を支える制度です。
対象は、品質確保法第3条に基づく登録を受け、給油所を運営している小規模事業者です。
従業員数5人以下の要件があり、申請時にはその人数を確認できる資料が必要になります。
手引書では、アルバイト・パートを含む従業員数の確認が求められています。
法人事業概況説明書等では常勤役員数を除いて確認するため、正社員の人数だけで判断せず、提出書類の記載内容まで確認しておきましょう。
複数のSSを運営している場合は、SSごとに申請します。
2.補助対象となる3つの区分と補助率
対象経費は「安全検査対応」「業務安全対策」「安全対策等研修」の3区分です。
自社で必要な取組を整理し、それぞれの区分に当てはめて検討しましょう。
| 区分 | 主な対象経費・条件 | 補助率 |
|---|---|---|
| 安全検査対応 | 計量機の検定、地下タンク等の定期点検、揮発油の分析委託費など。分析は年36回実施する「1年分析」が対象です。 | 通常地域SS:2/3 SS過疎地等:3/4 |
| 業務安全対策 | 従業員の安全・健康を確保する機器・備品。設置工事費等を含め、1点当たり税抜1万円以上50万円未満が対象です。 | 通常地域SS:2/3 SS過疎地等:3/4 |
| 安全対策等研修 | 乙種危険物取扱者(第4類)の研修・受験費、自動車整備やタイヤ整備に関する安全研修など。対象経費は税抜20万円が上限です。 | 定額(10/10) |
業務安全対策では、スポットクーラー、防寒用品、AED、LED照明などが例示されています。
一方、パソコンやスマートフォンなどは対象外です。設備名だけで判断せず、用途と価格の条件を確認しましょう。
また、研修に伴う交通費や滞在費等は対象外となります。
研修費と付随費用を分けて整理しておくことが大切です。
SS過疎地等に該当するかは、手引書が案内する対象地域の一覧で確認してください。
3.「100万円」は対象経費の上限|申請は1SSにつき最大3回
税抜100万円は、3区分を合計した補助対象経費の上限です。
実際の補助額は、各区分の対象経費にそれぞれの補助率を適用して計算します。
例えば、通常地域のSSが対象となる備品を税抜30万円で購入し、対象研修に税抜10万円を支出する場合、
計算上の補助額は「30万円×2/3+10万円×10/10=30万円」です。
対象経費40万円に対して、補助額は30万円となります。
実際の交付額は審査等により決まります。
申請は1SSにつき最大3回まで可能ですが、3回分を合わせて対象経費100万円の範囲内に収める必要があります。
区分を組み合わせるほか、同じ区分を複数回申請することもできます。
申請を分ける場合は、それまでに申請した経費と残りの枠を確認しましょう。
4. 申請期間と手続きで確認したいポイント
2次申請期間は、令和8年7月1日(水)~9月30日(水)で、締切は全石連必着です。
組合員は石油組合を経由して提出するため、組合側の受付日程も早めに確認しておきましょう。
主な提出書類には、交付申請書、誓約書、事業継続計画書、小規模事業者に該当することを確認できる資料などがあります。
原則として2業者以上の見積書も必要ですが、分析委託料と安全対策等研修は見積書不要とされています。
発注・契約は、原則として交付決定通知を受けてから行います。
申請書を提出しただけで購入や検査の実施を進めないよう注意しましょう。
なお、揮発油の1年分析には契約・支払時期に関する特例があり、交付決定日以降の分析実施分について、手引書に沿った確認が必要です。
採択後は、代金の支払いと実績報告まで見据えた準備も必要です。
支払期限は令和9年1月31日、実績報告は事業完了後30日以内で、最終期限は令和9年2月10日(全石連必着)とされています。
検査記録、納品書、受講証明書、支払証明などを整理して保管しましょう。
また、申請総額が予算を上回った場合には、必要に応じて按分して交付額が決まります。
資金計画では、申請額どおりの補助を受けられることを前提にしないようにしましょう。
まとめ:必要な安全対策と申請準備を早めに整理しましょう
本事業は、小規模SSが継続して営業するための安全検査、職場の安全対策、研修に活用できる制度です。
対象経費100万円の上限と区分ごとの補助率を確認したうえで、実施予定の取組と費用を整理することが申請準備の第一歩になります。
サポート行政書士法人では、補助金の活用に関するご相談を承っています。
自社で利用できる制度や申請準備についてお悩みの事業者様は、お気軽にご相談ください。
