人材の確保や定着に向けて賃上げを進めたい一方、設備投資との両立に悩む事業者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
大阪府では、国の「業務改善助成金」を活用する事業者に対し、
独自の賃上げ要件を満たした場合に上乗せ支援を行う「大阪府業務改善・賃上げ促進補助金」を設けています事前登録は令和8年9月30日(水)までです。
本記事では、申請日程と賃上げの条件、補助額の考え方、登録前に確認したいポイントを解説します。
1.大阪府業務改善・賃上げ促進補助金とは?
生産性を高める設備投資等と賃上げに取り組む大阪府内の中小企業等を支援する制度です。
国の業務改善助成金の利用が前提となり、府の補助金だけを単独で申請することはできません。
手続きは「事前登録」と「交付申請(兼実績報告)」の2段階です。
事前登録を済ませた後も、改めて交付申請が必要になります。
| 手続き・条件 | 日程 |
|---|---|
| 府の事前登録 | 令和8年9月1日(火)~9月30日(水) 賃上げを実施する前に登録 |
| 府の要件を満たす賃上げ | 令和8年9月30日(水)まで 大阪府最低賃金の発効日前日 |
| 国の交付額確定・支給決定通知 | 令和9年3月5日(金)までの日付の通知が必要 |
| 府の交付申請(兼実績報告) | 令和8年12月1日(火)~令和9年3月10日(水) |
大阪府最低賃金は令和8年10月1日から時間額1,231円になります。
府の補助金を利用する場合は、その前日までに所定の賃上げを行う必要があります。
最低賃金の改正情報はこちらをご確認ください。
2.対象事業者と、確認したい2つの賃上げ要件
対象は、大阪府内に事業場を設置し、令和8年9月1日以降に大阪労働局へ国の業務改善助成金を申請する事業者です。
そのうえで、国の交付額確定・支給決定通知を受け、次の2つの賃上げ要件をともに満たす必要があります。
国に提出した計画よりも引上げ額を増やす
実際の事業場内最低賃金の引上げ額が、国の事業実施計画書に記載した額を超えることが求められます。
計画書と実績報告の内容を照合できるよう、申請時の書類を保管しておきましょう。
ここでいう事業場内最低賃金は、雇入れから6か月を経過した労働者のうち、最も低い時間当たりの賃金を指します。
改定後の大阪府最低賃金を2%超上回る
引上げ後の賃金は、令和8年度大阪府最低賃金の102%を超える水準とする必要があります。
時間額1,231円を基にすると1,255.62円を超える額、1円単位では1,256円以上が目安です。
ただし、国に提出した計画を超えるために、それより高い額が必要になる場合もあります。
府のFAQでは、事業場内最低賃金を複数回に分けて引き上げることは認められていません。
賃上げ額と実施日を整理し、加算分を含めた計画を事前登録の段階で確認しておくことが大切です。
3.補助率は1/4、上限は条件に応じて変わります
補助額の計算に用いるのは、国の「国庫補助金精算書」に記載された対象経費支出済額です。
この額の1/4と、交付要綱の別表に定められた府の補助上限額を比較し、低い方の額が基準となります。
1,000円未満の端数は切り捨てます。
別表の上限額は、国で選択したコース、事業場の規模、府独自の賃上げ要件を両方満たす労働者数によって異なります。
200万円は制度全体の最高額であり、すべての申請に適用される上限ではありません。
同一事業者が複数の事業場で申請する場合も、合計の上限は200万円です。
設備投資の予算を検討する際は、交付要綱の別表を確認しましょう。
また、国の業務改善助成金以外の補助金等と、同じ経費を重複して補助対象にすることはできません。
4. 事前登録から交付申請までの進め方
まずは国の申請内容を整理し、国への申請日以降、賃上げを行う前に府の事前登録を進めます。
登録は事業場ごとに行い、事前登録書、要件確認申立書、暴力団等審査情報を用意します。
手続きには大阪府行政オンラインシステムを利用するため、初めての方は利用者登録も済ませておきましょう。
府の事前登録が受理されても、それだけで設備投資に着手できるわけではありません。
設備の導入は国の交付決定後に行い、事業完了後は国への実績報告を進めます。
その審査を経て交付額確定・支給決定通知を受けた後、受付期間内に府へ交付申請(兼実績報告)を提出します。
大阪労働局は、国の申請から交付決定まで概ね3か月を要すると案内しています。
設備の納期や報告・審査の時間も見込み、早めに準備しましょう。
国への計画書・実績報告書、交付決定通知書などの写しも、府への申請に備えて保管しておくと手続きが円滑です。
まとめ
本補助金の活用では、事前登録の期限だけでなく、賃上げの実施順序、
府独自の要件を満たす人数、国の支給決定までのスケジュールをまとめて確認することが重要です。
事前登録や要件確認ナビの結果だけで、交付が確約されるものではありません。
サポート行政書士法人では、事業内容や投資計画に応じた補助金活用のご相談を承っています。
制度の選び方や申請準備でお悩みの方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
