「再生材を使った製品の量産体制を整えたい」「製品の長寿命化や再利用を、新たな事業につなげたい」。
こうした投資を検討する事業者様が活用を考えたい制度が、自律型資源循環システム強靱化促進事業です。
令和8年度の二次公募は、2026年10月1日から申請を受け付けています。
本記事では、公募日程や補助額に加え、対象となる事業・経費、申請資格、事業計画を作成する際のポイントを解説します。
1.自律型資源循環システム強靱化促進事業とは?
本事業は、経済産業省の「脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金」による支援制度です。
循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行に向け、資源循環に関する技術開発・実証・商用化のための投資を後押しします。
執行団体は、一般社団法人低炭素投資促進機構です。
主な対象は、再生材を原料に用いた製品製造、長寿命化や再資源化のしやすさを考えた「環境配慮型ものづくり」、
リユース・リファービッシュ等を促進する取組です。
例えば、再生プラスチックを使った部品製造や、製品を整備して再利用するための技術実証・設備導入などが検討対象となります。
一方、廃棄物から再生原料を生産するなど、事業の中心が専ら再資源化工程となる取組は、対象外とされる例があります。
回収・加工・製品製造・再利用のどの工程を担う計画なのかを整理し、本事業との適合性を確認することが大切です。
2.二次公募のスケジュールと申請方法
本申請の締切は2026年11月6日(金)15:00です。
これに先立ち、予定する事業が制度の要件に合うかを確認する事前申請期間が設けられています。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 事前申請 | 2026年10月1日(木)~10月19日(月) |
| 本申請 | 2026年10月1日(木)~11月6日(金)15:00 |
| 補助対象期間 | 交付決定日から最長2029年2月28日まで |
事前申請は、所定の事前申請書を事務局へメールで提出します。
事前申請をしていなくても、期限内に本申請すれば審査対象となります。
ただし、事業内容によっては別の制度への申請を案内される場合があるため、適用判断に迷う場合は早めに確認しましょう。
本申請は、GビズIDプライムアカウントを用意し、jGrantsで電子申請したうえで、申請書類一式を郵送します。
公式の締切表示は「jGrants必着、郵送は発送済であること」です。
電子申請と紙の書類提出の両方が必要となるため、書類の到着にも余裕を持って準備してください。
3.補助額・対象経費と申請資格
補助金の下限は1件当たり1億円
1件当たりの補助上限額は設けられておらず、補助金額の下限は1億円です。
これは総事業費の下限を意味するものではありません。
審査や予算等により、申請した金額がそのまま交付されるとは限らない点にも注意が必要です。
| 事業者区分 | 補助率 |
|---|---|
| 中小企業等 | 1/2以内 |
| 大企業等 | 1/3以内 |
補助率から単純計算すると、補助金1億円に対応する税抜の補助対象経費は、1/2の場合で2億円、1/3の場合で3億円となります。
対象外経費も含めた資金計画が必要です。
中小企業でも大企業による保有等の条件によっては1/3が適用され、共同申請も構成によって補助率が変わるため、
公募要領で確認してください。
建物・設備・実証等に必要な経費を支援
対象経費には、事業に直接必要な建物費、設計費、設備費、工事費等があります。
設備・システムの製作や試験・検証に関する業務費も、所定の範囲で対象となります。
土地やオフィス用建物の取得費、既存建物の撤去費、消費税等は対象外です。
見積書では対象・対象外を分け、事業期間内に工事・検収・支払いを完了できる計画にしましょう。
法人資格とパートナーシップへの参画を確認
申請対象は、日本で登記された民間会社等、または民間会社を主申請者とする共同体・任意団体等です。
地方公共団体は主申請者になれません。
サーキュラーパートナーズの会員であることが要件で、
公式広報資料では本事業への申請にあわせた参画申請でも対応可能とされています。
このほか、自己負担分を調達できる経営基盤や事業の実施・管理体制、
GXフューチャー・リーグへの入会・排出量報告等の要件があります。
未入会の場合は申請までの入会申込み等が必要ですが、中小企業基本法上の中小企業は、
他の温室効果ガス削減の取組を提出して代えることができます。
4.事業計画で示したい目標と申請前の準備
計画では、資源循環に関する次の目標のいずれかを満たす必要があります。
設備の導入だけでなく、製品や事業にどのような変化を生むかを具体的に示しましょう。
| 取組の方向性 | 求められる目標 |
|---|---|
| 再生材の利用 | 生産を見込む製品の再生材含有率を10%以上とする |
| 環境配慮設計 | 事業終了後2年以内に、環境配慮設計の製品を市場へ投入する |
| CEコマース | 仕入れた廃棄物の50%以上を、再使用・整備・用途変更等により製品として再利用可能にする |
あわせて、製造能力、生産開始時期、コスト、事業終了後の事業化方針を整理します。
原料調達先や販売先との連携、ライフサイクル全体でのCO2削減効果、
民間企業だけでは投資判断が難しい理由も、根拠をもって説明することが求められます。
書面審査に加え、代表権を有する方またはそれに準ずる方による面接審査も行われます。
交付申請書・実施計画書・事業概要書に加え、見積書、設備の仕様、資金調達計画等を準備してください。
交付申請段階では1者の概算見積でも可能ですが、発注先の選定では原則として競争入札または3者以上の相見積が必要です。
発注・契約は原則として交付決定後に行います。
ただし、本事業には所定の届出・受理通知に基づく事前着手の制度があります。
事前申請と事前着手届出は別の手続きであり、事前着手が受理されても採択が保証されるわけではありません。
利用する場合は、認められる開始日と経費の範囲を確認しましょう。
まとめ|資源循環と事業成長を両立する計画を整えましょう
本事業は、再生材の活用や環境配慮型製品、
再利用ビジネスの実装に向けた大規模な投資を検討する事業者様にとって、活用を考えたい制度です。
自社の取組が対象範囲に入るか、必要な資金・実施体制を確保できるかを確認し、
11月6日15:00の本申請締切に向けて準備を進めましょう。
サポート行政書士法人では、補助金の活用に関するご相談を受け付けています。
制度の選定や申請要件の整理でお困りの事業者様は、お問い合わせフォームよりご相談ください。
