
登録要件・手続き・ツール登録までを徹底解説
◇はじめに:IT導入補助金における「IT支援事業者」の役割とは
中小企業や小規模事業者が、業務効率化や生産性向上のためにITツールを導入する際、その費用の一部を国が補助する制度が「IT導入補助金」です。
2025年度もインボイス対応支援などを含め、幅広いITツール導入が対象になる見込みです。
この制度を企業が活用する際に、導入から補助金申請の支援までを一貫して担う存在が「IT支援事業者」です。
ITベンダーや販売代理店、コンサルティング会社などがこの役割を担い、導入事業者の手続きをサポートすることで、ツールの販売機会や支援実績を広げることができます。
本記事では、「IT支援事業者」として2025年度のIT導入補助金に関わるための登録方法について、事業者登録と先行ツール登録の両方を含めて詳しく解説します。
◇IT支援事業者になるメリット
補助金を活用した販路拡大が可能に
補助金制度を活用することで、中小企業にとって導入コストのハードルが下がり、これまでアプローチできなかった層にも営業展開が可能になります。
公式な支援事業者としての信頼性向上
IT導入補助金の公式ポータルサイトに登録されることで、顧客からの信頼性が増し、競合との差別化にもつながります。
補助金支援という新たなビジネスモデル構築
補助金の申請支援や、導入後の運用支援まで含めたサービス設計により、収益機会の多角化が可能になります。
◇登録に必要な2つのステップ:事業者登録と先行ツール登録
2025年度のIT導入補助金では、IT支援事業者として活動するために、以下の2つの登録が必須です。
登録種別 | 内容 | 必須/任意 |
---|---|---|
IT支援事業者登録 | 自社の法人情報や支援体制を登録する | 必須 |
先行ITツール登録 | 補助金対象となる自社のITツール情報を事前に申請・審査登録する | 必須 |
この2つの登録を完了して初めて、IT導入補助金を活用した顧客支援(交付申請やツール導入支援等)が可能になります。
上記の審査は同時申請、同時許可です。どちらかだけ採択されることは無いため、両方の準備をそろえてから申請をする必要があります。
ステップ1:IT支援事業者登録とは
登録の目的
IT支援事業者登録は、補助金制度を適切に運用するために、ITツールを提供・支援する企業の基本情報・支援体制・過去実績などを事前に把握するためのものです。
登録後は、支援事業者IDが発行され、これを使ってツール登録や交付申請支援が行えます。
登録要件(2025年度版)
- 日本国内に拠点を有する法人であること
- ITツールの提供または導入支援の実績があること
- 過去に補助金に関わる不正行為等がないこと
- 登録書類(法人情報、代表者情報、連絡先、支援体制など)を正しく提出できること
ステップ2:先行ITツール登録とは
登録の目的
IT導入補助金では、補助金の対象となるITツールは事前に事務局の審査を経て登録されたもののみが認められます。したがって、支援事業者が自社のサービスを補助対象にするには、先行ITツール登録が必須となります。
登録されたITツールは「ソフトウェア」「クラウドサービス」「ハードウェア(一定条件下)」などに分類され、導入事業者が補助対象として選択できるようになります。
対象となるITツール例
- 会計・販売・在庫管理ソフト
- 電子請求書発行システム(インボイス対応)
- CRM/SFA/ERPなど業務効率化に寄与するクラウドサービス
- データ連携やAPI連携が可能な拡張機能
※登録可能ツールかどうかは該当プロセスを確認してください。
登録時に必要な情報
- ツール名称・提供形態(オンプレミス/クラウド)
- 補助対象カテゴリとの関連(業務プロセス改善要件)
- 導入価格帯
- 導入後の運用支援体制(マニュアル・ヘルプデスク等)
- 機能説明書・価格説明書・画面イメージなど
ツールの登録は審査があるため、不備や要件不適合の場合は差し戻しや不採択となることもあり、十分な準備が必要です。
尚、IT支援事業者登録は各年度1回までとなります。もし不採択になってしまった場合は、その年度内の再申請はできないためご注意ください。
◇登録後の義務と注意点
登録内容の更新義務
支援事業者情報やツール情報に変更があった場合、速やかに更新申請を行う必要があります。
登録内容と実態が異なる場合、申請停止や登録取消となる可能性があります。
導入事業者への誠実な支援体制の構築
IT支援事業者は、交付申請や実績報告など、導入事業者の補助金活用を一貫して支援する義務を負います。
業務マニュアルやQ&Aの整備、問い合わせ対応の迅速化が重要です。
不正行為の厳罰化
補助金の対象外のツールを不正に申請したり、導入実績を偽装したりする行為は、支援事業者登録の取り消しや返還請求の対象になります。
登録後も常にコンプライアンス意識を高く持つことが求められます。
◇よくある質問(FAQ)
Q. 自社で開発していないツールでも登録可能ですか?
A. 可能ですが、支援事業者として導入支援やアフターフォローができる体制が整っている必要があります。代理販売のみで支援体制が不十分な場合は認められません。
Q. ツール登録は1件から可能ですか?
A. はい、1件から登録可能です。ツールごとに審査がありますので、それぞれ個別に申請が必要です。
Q. 過去の登録事業者も再登録が必要ですか?
A. はい、毎年度ごとに再登録が必要です。2024年までの登録実績は引き継がれませんので、2025年度用にあらためて申請してください。
◇まとめ:事業者登録+ツール登録の両輪で市場を広げるチャンス
2025年度のIT導入補助金において、IT支援事業者として参画するには「事業者登録」と「先行ITツール登録」の両方を完了させる必要があります。どちらが欠けても補助金の支援活動は行えません。
ITベンダーや販売パートナーにとって、この制度は販路拡大や信頼性向上の大きなチャンスです。手続きには一定の準備期間がかかるため、早めに体制を整え、公式ポータルの情報を常にチェックすることが成功の鍵です。
今こそ、自社のITツールを中小企業のDX推進に役立てるべく、IT支援事業者登録への第一歩を踏み出しましょう。
◇IT導入補助金専用お問い合わせフォーム
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